2024.11.4
三連休の最終日、所沢へ行ってきた。所沢は、もう26年前くらいにいったきり、久しぶりの訪問である。以前行ったときは練馬から西武線で行ったので、さほど時間はかからなかったが、墨田区から車で行くとなると、1時間半ほどかかった。首都高から関越自動車道を通って、本来、順調にいけば1時間ほどでつくのだが、所沢ジャンクションで降りるべきところを行き過ぎて川越まで行ってしまった。
目指したのは、角川武蔵野ミュージアム。出版社として有名な角川により、建てられた。パンフレットによると、「角川武蔵野ミュージアムは、図書館、美術館、博物館、を”まぜまぜ”にした複合文化施設です。」とある。
現地についてみると、一目でそれとわかる異形の塊が見えた。開口部を持たない、石の塊のような外観は、東京郊外の戸建て住宅と、適度に残る緑の中で、容易に存在を知らせてくれる。
縦と横の比率が通常の施設よりも高さが感じられ、また、その造景は、直線により構成されてはいるが、人工物というよりは、不作為な印象を受ける。
ところざわサクラタウンというエリアの一部が、ミュージアムとなっているが、駅からのアプローチ側にある公園のレベルで全体が結ばれている。アプローチ側の公園と、さくらタウン全体の駐車場は、ところざわサクラタウンの対角線に位置、この二つを結ぶ動線が2階レベルのペデストリアンデッキで結ばれている。
この対角線上に歩いていて、気づくのだが、当初目指していた角川武蔵野ミュージアムは、ところざわサクラタウンの一部であり、この複合施設全体には、角川書店の出版部門、印刷工場、ホール、ショップ、レストラン、神社、N高等学校のスクーリングスペースなど、様々な施設が入っている。ところざわサクラタウンは、「日本最大級のポップカルチャーの発信基地」となっており、角川武蔵野ミュージアムは、単なる美術館ではないことに気づき始める。
そして、[ところざわサクラタウンは、KADOKAWAおよび、角川文化振興財団が所有、運営する複合施設であり、所沢市との共同プロジェクト「COOL JAPAN FOREST構想」の中核施設として2020年にオープンした新しい施設である wiki]
新たな神社「武蔵野令和神社」建立
2階レベルのペデストリアンデッキで、反対側に行くと、駅からのアプローチにつながる。こちらからは、神社が来る人を迎える。この神社は、武蔵野令和神社といい、ところざわサクラタウンという、複合文化施設が計画されたとき、角川書店の角川会長がこれだけの複合施設には神社がいるだろうということで、創建された。デザイン監修は、ミュージアムの設計者であもある隈研吾さんである。
手水鉢も丁寧にデザインされ、参拝の作法をデザインに取り入れ、水辺の空間を作り上げる隈研吾さんの神社設計の巧みさが伺える。
この神社は、令和になってからの創建ということもあり、その設定は、口承などではなく、出自がはっきりとしており、誰が、どういう意図で、何を言ったかが残っているので、神社の成り立ちを知る上でも興味深い。
以下は、この神社のホームページからの引用である。
ーーーーーーーーーーーー以下引用ーーーーーーーーーーーーー
主祭神:天照大御神(あまてらすおおみかみ)
相殿神:素戔嗚命(すさのをのみこと)
鎮座される二柱の御祭神を総称して「言霊大神(ことだまのおおかみ)」と申し上げます。
〈正式名称:武蔵野坐令和言霊大神(むさしのにますうるわしきやまとのことだまのおおかみ〉
「言霊大神」とは、文芸・芸術・芸能といったコンテンツの表現に顕れる神の御稜威(みいつ:神の威光)のことです。
詩歌や小説、音楽や絵画、映画や舞台、アニメ・コミック・ゲームなど、 やまとの国=日本で誕生するハイカルチャーからポップカルチャーまで、 学術(アカデミック)から娯楽(エンタテインメント)まで、 すべてのコンテンツに宿る神威を尊称して「言霊大神」とその御名を申し上げます。
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おみくじがたくさんあった
さて、いよいよ、ミュージアムに入ってみよう。ミュージアムは、本自体を展示物として見せる部分と、モネなどの絵画を見せる部分からなる。すべてを見る共通チケットは平日3100円、休日3500円。絵画を除いた本の部分だけだと、平日1400円である。
まず、エレベーターで、最上階の5階に行く。表紙を見せるタイプの本棚。縦の部材が、表紙面を見えないようにし、本棚の木質が視界を占める。武蔵野の雑木林をイメージして、木がメインということなのだろうか?
かつて武蔵野に居たというダイダラボッチ
高さ8mの書棚
プロジェクションマッピングは、1時間に3回上映される
ミュージアムというと、日本語では美術館、博物館という意味が一般的だが、図書館という意味を持たせてもいいのではと思うほどの本の見せ方が多様で面白い
2階はラノベ(ライトノベル)図書館。日本最大のラノベ図書館とのこと。ここは、蔵書数を収めるため、整然と並べられている。
建築のディティールをいくつか紹介。まずは、カウンター
トイレのピクトサイン。男女の表現がほのぼのとしている
2階エントランスの階段と手摺、落下防止の金網を拡張して、ライティングによりスクリーン上に見せている。金網の端部は、切りっぱなしの部分がないように処理してあった。
お昼は、ところざわサクラタウンを出て、山田太郎という店で、みそタンメン800円とライスとチキンのセット250円。入店してから調べると、埼玉で有名なの山田うどんの系列店だった。であれば、斜め向かいの山田うどんでもよかった
池原義郎が設計した礼拝堂、1973年竣工。屋根が特徴で、木製であり頂部のガラスのボックスは昼は光を中に入れ、夜は中の明かりが外に漏れるという。
礼拝堂は霊園のなかにあり、入り口付近には、新たな礼拝堂と事務スぺースが入った建物が立っていた。
138km。6時間