ウィルス不活化によるコロナ対策

左は空気(エアロゾル感染)、右はウィルス不活化のイメージ

2021年1月11日 新型コロナの感染者が、東京で1219人になりました。

感染には、細菌やウィルスが、飛沫によって感染をおこす「空気感染」、接触による感染「接触感染」、空気による感染「空気感染」があります。

これらの感染のなかでも、空気感染については、触れてもいないのに感染することから、非常に注意が必要な感染症です。注意が必要と言われても空気中をウイルスが漂っているのですから、注意のしようもありません。

コロナウィルスもそうだと思いますが、ウィルスの飛沫核は非常に小さいので、空気中を漂って、宿主から周囲に感染が広がります。

コロナウィルスについては、エアロゾル感染と言われているようですが、空気感染の一種と考えて良いでしょう。医療施設の場合、空気感染対策は、感染者を陰圧管理された部屋に入れて、汚染された空気が周囲に漏れないようにします。

しかし、日常の空間では、陰圧管理など、できるわけがないですし、そもそも、誰が感染者かわからない状態で多くの人が同じ空間にいるのですから、手の打ちようがありません。

感染が広がらないように、ワクチンの普及が待たれるところですが、環境整備の点で、できることはないのでしょうか?

出来ることは、空気の流れを抑えることでウィルスの拡散を防ぎ、床や壁、家具に落ちたウイルスを不活化させることになります。

空気の流れを抑える方法としては、「エアコンのような対流を起こすような空調を控える」こと。そして、ウィルスを不活化させるには、床や、壁、家具に抗ウイルス性を持たせることで可能になります。

こういった空気感染対策は、コロナウィルスに対する対応に限らず、SARS、MARS、季節性のウィルス対策にも有効です。これからは、こうった感染対策も考えた環境整備の視点が必要になるのではと考えます。

かなや設計 環境建築家 金谷直政

ドアノブのウィルス量を99.6%減

ドアノブに貼った接触感染対策テープ

住環境整備から考えるコロナウイルス対策。私達の生活の中で接触感染を減らす方法は、基本的には手指の消毒です。

外から帰ったら石鹸をつけて正しい手洗い法に則ってを洗うことで、感染リスクを減らすことができます。

しかし、自分で、手指の消毒を心がけていても、思わぬ来客があり、入り口のドアノブなどが汚染されることもありえます。

ウィルスは金属の表面で2〜3日も生存し続けているとの報告もあり、多くのドアノブがステンレスやアルミなどの金属製であることを考えると、気軽にドアノブに触れることもためらわれます。

殺菌に有効な次亜塩素酸ナトリムで清拭することも考えられますが、次亜塩素酸ナトリウムは金属を腐食させるため、清拭したあと水拭きする手間がかかるので、現実的な対応とは言えません。

では、ドアノブの接触感染対策、どうすればよいのでしょうか?

自動ドアなど接触せずに使えるドアが理想ですが、今あるドアを自動化することもできません。いろいろ探してみたところ、関西ペイントから「接触感染対策テープ」という製品が出ています。これは、テープ状のシートに漆喰を練り込んだものです。

漆喰は消石灰を原料しているため高い殺菌効果があります。消石灰は、鳥インフルエンザが発生した場合、白い粉を撒いている映像を見たことがあると思いますが、消毒剤として、よく使われているもので、ウィルスへの消毒効果も認められているものです。

鳥インフルエンザのウイルス量を測定した結果、30分で99.6%のウイルスが減少しているという結果だったようです。

今のところ、ウィルス対策の切り札というものはありませんが、こういった小さな対策の積み重ねが、感染のリスクを減らしていくのではないかと思い、紹介いたします。

かなや設計 環境建築家 金谷直政

抗ウィルス効果99.9%の天然床材

一般的な床材として、今日広く使われているビニールシートという建材があります。文字通りビニールで作られており、表面の模様や色はさまざまなものがつくられ、木目調、石調、花柄何でも自由なパターンが可能です。

今日、紹介するのは、見た目は似ているのですが、天然の素材から作られた天然リノリウムという床材です。天然の素材から作られた床材で、耐久性も優れておりメンテナンスも容易な建材です。

私の場合、医療福祉施設を設計することも多く、20年ほど前からよく採用しています。使い始めたころは、ワックスがけが不要な床材ということで化学物質過敏症の人にもダメージを与えないということがきっかけだったと思います。

その後、医療福祉施設に限らず、住宅や執務空間、宿泊施設などにも採用。更には自分の事務所にも使っています。

私の設計では定番の建材となっている天然リノリウムですが、忘れてはならない効果がまだまだあります。それは抗ウィルス効果です。ノロウィルス、A型インフルエンザウィルスの不活化試験(24時間聖地後のウィルスの減少率)では、99.99999%とのことなのです。更に、抗菌効果、脱臭効果なども実証されています。

値段は通常のビニールシートよりは高いですが、ワックスがけが不要であることを考えると、長い目で見れば、むしろビニールシートより安いと言えます。

かなや設計 環境建築家 金谷直政

2020.4.28

ウィルスを0.001%にする方法

コロナウィルス対策について、世の中、マスクばかりに焦点が当てられていますが、コロナウィルスは基本的には空気感染ではなく接触感染(もしくは飛沫感染)であることを考えれば、私たちがやるべきことは、手指の消毒ということにつきます。

外から帰ってきたとき、外部から家にウィルスを持ち込まないよう、そして、家族同士感染を広げないように注意しなけば、残念ながら、大切な家族を感染から守ることはできません。

私が医療福祉施設の設計に携わってきた経験も踏まえ、感染防止対策として有効な方法を紹介したいと思います。因みに、医療福祉住環境コーディネイター(1級)は都内でのナンバーは8番目です。感染と住環境整備については多少詳しいのではないかと思います。

・石けんによる手洗いでウィルス0.001%に!
特別なことではなく「石けんで手を洗う」という昔から誰もがやってきたことをしっかりやることが効果的です。しっかり手洗いをすることで、手洗いをしない場合に比べ、残存ウィルスの数は約0.001%になると言われています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000617981.pdf

ここで大事なのは、手洗いの方法です、正しい方法でしっかり洗うことが非常に大切です。絵を参考に正しい手洗いを身につけてください。 東京都感染情報センターの手洗いの情報です。
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/flu/hand/

・消毒用エタノール
これを手指にかけて、手と手をこすり合わせ消毒します。ここで気をつけなければならないのは、その時間です。菌が死ぬまで15秒ほどかかるので、この時間で乾いてしまわない量を使います。

エタノールは、アルコールの一種で、他に無水エタノール、消毒用エタノールIP等がありますが、効果はそれぞれ同様と考えて良いようです。
https://general.kenei-pharm.com/faq/ethanol/#5266

・キッチン用アルコール除菌
今、ドラッグストアに行っても消毒用エタノールは全く見当たりませんし、入荷の予定もたたないような状況です。そんな中、キッチン用アルコール除菌剤等はまだ、購入が可能のようです。
法律上、消毒剤として人体に使う場合は医薬品という扱いになってしまうので、メーカー側では推奨はできないようですが、フマキラーのホームページでは、効果がある旨、出ています。
https://fumakilla.jp/faq/734/

・次亜塩素酸ナトリウム
そして、安価に殺菌除菌できるのは、塩素系の漂白剤になります。厚労省でもコロナウィルスの消毒効果があると出ています。
https://www.mhlw.go.jp/content/000617981.pdf

上記の厚労省のURLには、市販の漂白剤から次亜塩素酸ナトリウムをつくる方法を紹介しています。コロナウィルスの殺菌効果はあるようですが、肌に付くと肌荒れが起こるので、人体への使用は勧められません。
食器や、ドアノブ、水栓、テーブルなどを消毒することで、間接的な接触感染のリスクを下げることになります。
また、金属を拭いた場合は水拭きをしなければ変色したり、酸と混ざると有毒ガスが発生するので、注意しなくてはいけません。
しかし、こういった注意事項を守れば、安価に殺菌効果が得られるため、気兼ねなくドンドン使えるので、コロナウィルス対策の有効な手段となります

かなや設計 環境建築家 金谷直政