推 薦 文

                      筑波大学臨床医学系  内科助教授 医学博士 渡辺重行

 壁冷暖房は、現在の一般的な冷暖房設備が有する様々な問題点を解決した画期的な冷暖房設備であると考えられます。

 まず、壁冷暖房が、施設全体の空気の再循環を伴わないのみならず、各室内においても空気の対流を生じにくくする点が挙げられます。インフルエンザをはじめ結核、レジォネラ肺炎など空気を介して感染する疾患が、病院や療養施設などにおいて集団感染を引き起こしその予防に関心が集まる中、本壁冷暖房は、同室内での人から人への感染の予防にもつながる新技術であります。

 また、壁冷暖房が、体感温度を冬は暖かく、夏はより涼しく感じさせる点も特記事項であり、消費エネルギーを低減できること以外に多くのメリットをもたらします。例えば本冷暖房は、夏は室内湿度が低く快適な、冬は湿度の高い潤った環境を提供します。現在の暖房設備に伴う冬季の室内の乾燥は、口腔・鼻粘膜の乾燥からウイルスや細菌の感染を容易にするとともに、特にインフルエンザウイルスなどを含む飛沫粒子をより小さい浮遊粒子とすることによって様々なウイルス感染をもたらします。また、冬季の皮膚の乾燥に起因する皮膚掻痒症は多くの高齢者にとって切実な悩みであります。これらの障害を本装置が軽減すると考えられます。

 また、輻射熱により直接個別に温度調節する本装置は、冬はまるで暖炉のように、夏はまるで森林に入り込んだような快適な環境を、同居室内においても個別に提供できるメリットを有します。これにより、同じ病室内においても発熱している人の周囲の温度を下げ、冷え性の方の周囲温度を上げたりといった調節が可能となり、より快適な室内環境を提供します。

 病気の治療や療養には、院内感染などのリスク管理の上に立った、精神的な安定をもたらす快適な個別環境がなによりも重要であります。壁冷暖房が、一般家庭のみならず病院や高齢者の療養施設等に今後大いに活用されることを期待します。

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