人と人がつくる「家の直売」プロジェクト


■本当の建物の値段
建物って高いと思いませんか?
分厚い見積書には数字が細かく書いてあり、その積み上げが全体の工事金額になっています。
でも、
住宅メーカーや工務店(以下、「工事請負者」と呼びます)から出てくる見積書の金額は正しいのでしょうか?
そこで、普段は聞けない話を書いて見たいと思います。

大体、本当にかかる金額の3割は高いのではないでしょうか?

建物の場合、例えば2000万円の住宅の場合600万円も高いことになります。
であれば、600万円安く買えれば良いのですが、そう簡単ではありません。
家電のような工業製品の場合、工場で作りますが、建物は工場で作って持ってくるわけには行きません。
建物は、現場での一品生産であるため、本当の値段より高くなってしまうのです。

■本当に建物を作っているのは誰?
建物の値段が高くなる訳をもう少し説明しましょう。
建物は、建築場所毎に、専門業者を集めて建設しなければなりません。
専門業者とは、土を掘る「土工事業者」、木に部分をつくる「大工」、屋根を作る「板金工事業者」などで
1軒の住宅でも20位の専門業者が工事に参加します。
これは、大手住宅メーカーでも、地元の工務店でもだいたい同じです。
この、専門業者こそが本当に建物をつくる人たちなのです。
通常、彼らは、発注者と顔を会わせたり言葉を交わすことはありませんので、
建物を作っているのは工事請負者と思われてしまっているようです。
工事請負者は、専門業者から見積をとり、それらを合計して
その金額に「現場管理費」とか「一般管理費」とかを加え、更に「各専門工事金額に上乗せ」して見積を作ります。

ですから、実際に工事をする人に払う金額に加え「現場管理費」「一般管理費」「専門工事への上乗せ分」等の
金額分だけ高くなってしまいます。

ビジネスの世界では、販売できる人が強いと言われています。
家電量販店が家電の最安値を、スーパーなどの量販店が魚の価格を決めていると言われているように、
営業力のある工事請負者が建物の価格決めているのです。
最近の工事請負者で価格決定力のあるのは、タマホームなどでしょうか?

■人と人がつくる「安心」「適正価格」の家
日本の住宅は高いと言われています。
例えば、アメリカの工事発注方法はどうなっているのでしょうか?アメリカは各地域ごとに専門業者のユニオン(組合)があり、その組合に工事の情報が入り、ユニオンが職人に対して仕事の割り振りをするそうです。つまり、「建てたい人」と「建てる人」が直接契約を結び発注するのです。日本のようないろんな経費が乗っかることはありません。ですから安くてもしっかり作ってもらえます。
日本でも、昔は、現代のアメリカのような方法で発注していました。つまり、今のように住宅メーカーや、工務店が無い時代は、家本体は大工に、屋根は瓦屋に、畳は畳屋に、障子などは表具師にという具合です。これも「建てたい人」が「建てる人」と直接契約を結んでいた状態です。
では、現在の日本で「建てたい人」が「建てる人」に直接発注することは出来ないのでしょうか?
今回のプロジェクトは、「建てたい人」と「建てる人」が直接契約し、家をつくる試みです。

■4000万円で土地と家を手に入れる
一般的なサラリーマンが、無理なく取得できるのが、このくらいでは?
というのがこの値段である。

4000万円で、土地と、建物を手に入れる方法を考える

4000万円というのはマンションを手に入れるのとほぼ同じくらいではないでしょうか?
東京などの都会では、地価が高いため、戸建を諦めてマンションを買う人も多い。
しかし、建築の設計をしている立場で言うと、可能であればマンションよりも一戸建てが良いと考えます。
 
等の理由が考えられます。
これらのことは、皆さんもイメージとしては持っているのだと思います。
可能であれば、一戸建てにしたいけど、一戸建てに出来ない理由は、
一戸建ては高い!
からなのではないでしょうか?
だとすれば、一戸建てが安く建てられれば、一戸建てに住みたい人がもっともっと居るのだと思います。
この人と人がつくる家プロジェクトは、そうした人とって、希望の家を実現する試みです。