コロナ対策の病院の切り札!ナイチンゲール病棟を紹介します。
ナイチンゲールは、クリミア戦争(1853年~1856年)の戦地での看護経験を活かし、イギリスにもどった後、ナイチンゲール病棟という病棟を考案。イギリス国内では、各地につくりました。
戦地での経験とは、最小の医療資源(人、物資、施設)で、最大限に人命を救うと言う野戦病院の経験なので、今日、戦時と言えるコロナ禍においては、まさに効果的な病棟形態となっています。
まず、最小の看護師、ドクターによって、多くの患者を診ることができる大部屋。そして、大部屋でありながら、飛沫感染に配慮し、ベッド間隔を2m以上取っています。これは、現在言われている間隔とも合致しています。
更に、空気感染に配慮し、天井高を高くし、気積を確保することで、空気中を漂う細菌やウイルスの再感染を防止しています。
また、病棟への入り口を一か所に絞ることで、汚染部分と非汚染部分が交錯しないような明快なプランになっています。これは清汚(せいお)区分といって医療施設の感染対策では重要な考え方になります。
もちろん、今日の医療法、診療報酬基準に適合しない部分は若干ありますし、空気の制御についてはむしろ現代の技術を使った方が良いですが、現在の医療施設ではこの環境は、確保でません。
設置場所は、具体的には、体育館、集会場、教室等の大空間があれば、冷暖房・換気などの機械設備、動力・通信などの電気工事、わずかなパーティション工事であれば、既製品の組み合わせで、1か月以内、最短で言えば、2週間程度で造ることはできるでしょう。
ショッピングセンターやパチンコ屋の立体駐車場でも可能です。形は、この絵のような形ばかりではなく、様々なアレンジが可能です。病棟設計の経験と、感染に対する知識、施工に関する知識のある設計者に頑張ってもらえば1週間程度で設計できるのではないでしょうか?
既成概念にとらわれずこういうことをやるのは政治家の力なのでしょうね。政府の方、もしくは各自治体の保健所の方、検討されてはいかがでしょう!!!
かなや設計 建築家 金谷直政