地震後の宿泊施設の被害状況、建築年による違いが明らか!能登半島地震の実例から見えた課題

2024.10.11

2024年1月1日、能登半島地震発生

私達の生活・仕事の場となっている建物について、地震に対してどの程度安全か考えたことありますか?

今年の1月に起きた能登半島地震は、輪島市において、最大震度7の震度を記録した大地震でした。実際に、現地で確認した様子をもとに、建築年代別にどのような被害だったかを、簡単にまとめてみました。

建築年代により異なる被害

建築年により四つの区分に分けることができ、それぞれ、建築年により被害の程度が、明らかに違うことが確認できました。

①建築基準法ができる以前にできた建物 ~1950

②建築基準法ができてから1981年までにできた建物 1950~1981

③1981年より後にできた建物 1981~2001

④2001年より後にできた建物 2001~

それぞれの建築年のよる違いについて少し詳しく説明したいと思います。

①については、耐震性はほとんどないと思ってもらって良いです。いわゆる古民家などがここに分類されます。写真の古民家は、輪島市の伝統的な建築として、輪島市景観重要建築物の指定されていましたが、地震後は、残念ながら、倒壊してしましました。

②については、旧耐震(きゅうたいしん)と言われ、耐震性は極めて低くなっています。地震後は、大破し、使い続けることは困難で、建替えなければなりません。

③については、新耐震(しんたいしん)と言われ、一般的には耐震性が高いと言われています。大きな地震が来た時、中にいる人の命は守ってくれる強度はありますが、地震後に建物を使い続けることはできなくなる可能性が高いです。この建物も営業を続けることはできなくなっていました。

④は、ほぼ現行の耐震基準となっています。新耐震基準で不足している部分を補っています。地震後も、被害は、ほとんどなく、営業も問題なく続けられていました。

いづれの基準を満たした建てものが良いのでしょうか?

命を守りたい場合、自分で所有している場合、被災後の事業を継続したい事業者の場合など、建物を利用する方により、要求される水準は違うかと思います。

③の新震基準の建築については、地震後、とりあえず、建物の中にいるいる人の命は守ってくれる可能性は高いです。しかし、地震の後は、建物は使えなくなる可能性が高いでしょう。

かなや設計

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